泣く子は更に大泣きする
病院での診断で避けては通れないのが注射だ。
予防接種や採血、注射の針も血も見るのも嫌だ。
子供の頃学校で予防接種があり名前順で並ぶのだが苗字的に自分は後半でかなり後ろだったので待つのがとても苦痛だった。
前の人たちが注射を済ませて一人一人が抜けていき恐る恐る注射が迫ってくる。
注射が怖すぎて注射を受けた後の自分が想像できないほどで、ここから抜け出せないか、何かトラブルがあって中止になることを祈っていた。
そして自分の番が来て「ああ〜もう来ちゃったか‥」となる。
注射をする前にまず打つところの皮膚にぬり薬やアルコール消毒などいろいろ施したりするがそれが痛みを和らげるものではない。
むしろあの薬のツンとするにおいがこれから注射をするのだとさらに注射を怖がらせるものになっている。
大人になってから今まで何回注射を経験したのだろうか。
コロナが流行した時期、ワクチン接種を3回ほど経験した。
あの注射の痛みは大人になった今でも慣れない。
病院で子供が泣く気持ちもよくわかる。
待つまでは明るく鬱陶しいくらい元気よくはしゃいでいたがいざ診察が始まり終えたその子は顔を赤くして泣いていた。
そんな子供を何度か見てきた。
きっと注射を受けたのだろうと。
ペットの犬が病院に行くのを怖がっているのもいて理由は注射とかが嫌なのだろう。
注射を受けた中で1番痛かったのはアレルギー検査の時だ。
血は少量でいいため指の注射でよいそうだったがあれが物凄く痛く開いた口が塞がらなかった。
左の人差し指を刺したのだが画鋲の針を深く刺されたかのような痛みだった。
流石に泣かなかったが。
病院で注射が苦手ですと正直に言うと看護師さんらは笑顔で頑張ってと言ってくる。
あの笑顔は自分にとって悪魔の微笑みだった。
注射を受けている時もその後も、表では痛みに耐えて堪えて笑顔を見せるが心は泣いていた。
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